中小企業への月60時間超時間外労働の割増賃金率50%の適用!
厚生労働省が2月6日、「今後の労働時間法制度等の在り方について」の報告書案を提示しました。
この報告に基づき労働基準法等の改正法案を作成し、平成28年4月からの実施を目指し、国会で審議する。
報告書案の主要事項は次の4点
1.中小企業の残業代の引き上げ(これのみ平成31年4月からの実施予定)
2.年休の取得促進
3.フレックスタイム制の清算期間の上限の延長
4.特定高度専門業務・成果型労働制
皆様こんにちは!助成金特化型の名古屋熱田社会保険労務士事務所です。助成金を貰うためにも愛知・名古屋の中小企業の労務管理は大変重要となります。弊事務所の無料メルマガ等で最新情報を学んでおきましょう!
さて、今月は愛知・名古屋の中小企業にはショッキングな内容です。助成金申請上でもあまり良いニュースとは言えません。
上記『概要』の4点のうち、ほとんどの企業で『3』と『4』は関係ありませんが、問題は『1』と『2』です。そこでこの2点について今月と来月の2回に渡って見ていきたいと思います。
それでは今月は『1』の『中小企業の残業代の引き上げ』について見ていきたいと思います。
まず『中小企業の残業代の引き上げ』とは何かという事ですが、これは『中小企業の月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率を、現行の25%から50%に引き上げる』という事です。
「それはひどい・・・そんなに払える訳がない・・・」という愛知・名古屋の経営者様の声が聞こえてきそうですが、残念ながら法律で決められてしまいそうです・・・。
しかし、少しだけご安心下さい。
今すぐ施行されるわけではありません。厚生労働省の予定としては、平成31年4月から実施するとの事です。
ちなみに大企業ではもうすでに、月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率は50%となっております。中小企業への適用は見送られていたため、現在では25%で済んでおりました。
『【2015年1月号】労務管理最新情報』で、「今後近いうちに中小企業も月60時間超の分からは50%増しが適用される可能性があります。」と発言させて頂いておりましたが、残念ながら本当にその通りとなってしまったのです・・・。
それでは、このひどい法改正に対して、愛知・名古屋の中小企業はどのようにして対応すれば良いのでしょうか?
非常に難しい(解決するのは不可能ともいえる)問題と言えますが、『とても厳しいだろうが、何とかしてこれだけはしておいてほしい!』のは以下の2点です。
1.月60時間超の時間外労働を極力なくすようにする
2.残業代をしっかり払う
さて、出来ますでしょうか?私が自分で言っておいてなんですが、出来るわけがありませんよね・・・。「それが出来るような経営状態なら苦労はしないわ!」という声が聞こえてきそうで怖いです・・・。
しかしながら、この2点を何とかしないと会社がつぶれかねません。なぜなら、未払い賃金(今回の話題の場合は時間外労働代)は過去2年間分に渡って請求されかねないからです。
労働者が会社に対して、『自分は残業代が支払われていなかった!』と、裁判を起こしてきた場合、会社は過去2年間分に遡及して支払う必要があるのです。しかも年6%~14.6%の利息をつけてです。
もし月60時間の時間外労働を、2年間に渡って続けていた社員に対する残業代を支払っていなかった場合、ざっと計算して最低でも140万円を請求されてしまうのです。利息を計算に入れなくてもです。
このように、残業代を支払っていない社員が10名もいたらどうなりますか?140万円×10名で、1400万円を請求されてしまうのです。
御社は払えるでしょうか?下手をしたら会社が傾いてしまうのではないでしょうか?
だからこそ、とても苦しいですが残業代は普段からしっかり払っておかなくてはならないのです・・・。そして残業代を払うという前提であるならば、割増賃金率50%とならない月60時間以内に残業時間を抑える必要があるのです。
それでは、どのようにして残業代を支払えるような会社にすれば良いのでしょうか?
名古屋熱田社会保険労務士事務所としては、それは『助成金の積極的活用』しかないと考えております。
助成金を貰い、残業代を払えるような会社を何とかして目指していくのです!
愛知・名古屋の中小企業に、平成31年4月までに整えておいて頂きたい労務管理は次の2点です。
1.月60時間超の時間外労働を極力なくすようにする
2.残業代をしっかり払う
『平成31年の4月なら、まだ4年もあるから急がなくていいや』等と考えないで下さいね。一家の家計を好転させるのですら数年がかりになる事もあります。
ましてや、一つの企業の仕組みを変えていくには確実に数年がかりとなります。そのため、今すぐに取り組みはじめて頂きたいと思います。
そして上記の2点を改善していくためには『助成金の活用』が不可欠となるはずです。少しずつでもいいので、助成金を活用していきましょう。
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