厚生労働省の長時間労働事業所の調査結果!今後は監督を徹底
厚生労働省が過去に労災請求があったなど、長時間労働が疑われる全国の約4500事業所に対した調査結果を27日発表しました。
発表によると調査対象の半数を超える2304事業所で違法な長時間労働などが確認されており、月100時間超の時間外労働が確認されたのは715ヵ所に及びました。
厚生労働省は、このような事業所への是正を指導し、今後も長時間労働が疑われる事業所への監督を徹底する方針。
皆様こんにちは!助成金特化型の名古屋熱田社会保険労務士事務所です。助成金を貰うためにも愛知・名古屋の中小企業の労務管理は大変重要となります。弊事務所の無料メルマガ等で最新情報を学んでおきましょう!
今月も又、先月と同じく長時間労働についてです。長時間労働関係の記事が、これで3ヶ月連続となりました。正直、「そろそろ他の労務管理記事にしようかな?」とも思いました。
しかしながら、愛知・名古屋の中小企業が助成金を貰う上でも、長時間労働(残業)問題はとても重要になります。なぜなら残業代をしっかり支払う事が、助成金を貰う上でも必要不可欠だからです。
そういった理由から今月も長時間労働について、今までとはお話しの内容を変えてご説明致します!
それでは上記概要について見ていきましょう。
これについてはそこまで難しい内容ではございません。厚生労働省が、全国4500の企業に立ち入り調査をしたところ、715箇所で月100時間残業があった。との事です。
それでは、上記概要について 1.長時間労働と解雇という視点 2.助成金を貰うためという視点 の2つの点から見ていきます。
1.長時間労働と解雇という視点
上記概要で気になるのが、なぜ「月100時間」残業にこだわるのか?という点です。
色々な理由がありますが、「月100時間」にこだわる理由の一つは労災認定が関係しています。
例えば、愛知・名古屋の会社に勤めている従業員が、うつ病を発症し休職(長期休暇)したとします。会社としては、休職期間満了後(長期休暇が異常に長くなったら)その従業員に辞めて貰う事になると思います。
しかし、この従業員がうつ病になった原因が、会社にある場合には、会社はその従業員を解雇する事が出来ません。残念ながら法律でそのように定められているのです・・・。
そのため、うつ病等の精神病にかかった従業員が、会社のせいで病気になったのか、会社とは関係なく病気になったのかは、とても大事な事なのです。そして会社のせいかどうかを決めるのが労災認定になります。
労災認定がされれば、その病気になったのは会社のせいであるとされてしまうのです。
その労災認定されるかどうかの基準の一つが、月100時間残業なのです。うつ病にかかった従業員が、その病気になる直前に月100時間残業を3ヶ月連続行っていた場合には、それだけで、「うつ病にかかった原因は会社のせいだ!」とされてしまう可能性がとても高くなり、そのうつ病の従業員を解雇出来なくなってしまうのです。
つまりは、長時間労働をさせていると、その従業員がうつ病等の精神病にかかった場合に、解雇を出来なくなる可能性が高いのです。これは愛知・名古屋の中小企業にとって大きな損失となってしまいます。長時間労働はさせないように気を付ける必要があります。
2.助成金を貰うという視点
さて、このページは助成金特化型である名古屋熱田社会保険労務士事務所が作成しております。
ですので、今回の月100時間残業について、「助成金を貰うには?」という視点からも見ていきたいと思います。
助成金を貰うためには、いくつかの要件を守る必要がありますが、その内の一つとして「残業代のしっかりとした支払い」があります。
ここで、今回の課題である、月100時間残業を従業員にさせている愛知・名古屋の経営者様に聞きたいと思います。「あなたの会社は従業員に、月100時間分の残業代を支払っていますか?」と・・・。
まず間違いなく、9割以上の経営者様がこう答えるはずです。「支払っていない・・・。」とです。
なぜなら、月100時間の残業代を支払うとかなりの人件費になってしまうからです。
それでは月100時間残業の場合の給料について計算してみましょう。
1日8時間・1週40時間勤務の月給制の正社員の場合、基本給は139,100円以上である必要があります。どのようにしてこの数字が出たのかと申しますと、1日8時間・1週40時間の場合、年間を平均しますと月173.81時間働きます。そして愛知・名古屋の最低時給は800円と最低賃金法で定められていますので、800円×173.81時間≒139,100円なのです。
そして月100時間の残業を行った時には、時間外労働手当として100,000円を追加する必要があります。これは800円×1.25倍×100時間=100,000円からきています。
この100,000円は今後高くなる可能性があります。「月60時間超の残業分については1.25倍ではなく1.5倍にすること」という法律が、中小企業にもいずれは適用される可能性が高いからです。
1.5倍が適用されたら、月100時間の残業代は次のようになります、(800円×1.25倍×60時間=60,000円)+(800円×1.5倍×40時間=48,000円)=108,000円
しかし現在では、ありがたい事に月60時間超の残業も1.25倍ですみますので、まとめると次のようになります。
月100時間残業者への給料
139,100円+100,000円=239,100円
どうですか?この金額をご覧の愛知・名古屋の経営者様、支払っていますか?
この金額を支払うと苦しいですよね・・・。ですから、きっと支払っていないはずなのです。そして支払っていないという事は助成金を貰う事が出来ないのです・・・。
愛知・名古屋の中小企業に今回の月100時間残業という課題から考えて頂きたいのは次のような事です。
1.月100時間残業は、うつ病等の従業員を解雇出来なくなる可能性があるため、出来る限り減らした方が良い。
2.月100時間残業は、残業代を支払えなくなる可能性があるため、出来る限り減らした方が良い。
しかし、サービス残業をやめて残業代をしっかり払ったり、残業をさせないようにしてその分従業員を増やした場合、人件費がかさんでしまうのが実際の所です。
そこで、助成金特化型の名古屋熱田社会保険労務士事務所としては次のような事を提案したいと思います。
1.助成金を使い社員教育に力を入れ、従業員の能力向上・作業効率向上をめざし、正社員の残業時間を削減していく。
(社員教育期間3ヶ月程度 受給金額1人当たり30万円程度)
2.助成金を使い60歳以上の高齢者を雇い入れ、高齢者でも出来る作業はその者にしてもらい、正社員の残業時間を削減していく。
(高齢者を雇入れる度 受給金額1人当たり60万円~90万円)
3.助成金を使い契約社員を正社員に転換する制度を設け、最初は契約社員として雇い、優秀な者だけを正社員にする事で、残業時間が少なくなるような正社員を増やしていく。
(契約社員を正社員にする度 受給金額1人当たり50万円~60万円)
如何でしょうか?実際にこの理想通りにするのは難しい事かとは思いますが、少しずつでも目指していくべきではないでしょうか?
名古屋熱田社会保険労務士事務所は愛知・名古屋の中小企業様のご発展ご繁栄を応援しております!